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横浜地裁 結論先にありき不当判決 ―― 日産自動車・日産車体「非正規切り」事件


Photo  横浜地裁(阿部正幸裁判長)は3月25日、日産自動車と日産車体がリーマンショックによる経営不振を理由とした2009年3月末の派遣・期間社員の雇止め・解雇に対し、原告5人が争っている地位確認・賃金支払い、損害賠償請求をいずれも棄却する不当判決を下しました。
 同事件の争点の第1は、派遣先企業(日産自動車)と労働者(原告2人)との間に、実質的な直接雇用と認定される要件があるか否かでした。
この点で判決は、日産自動車による「事前面接」が派遣法26条7項の「特定行為にあたる」と認めながら、「面談行為があったとしても、採用行為を行ったとまではいうことができない」と判断。さらには、日産自動車が原告2人の賃金決定に「相当程度影響を及ぼす立場にあった」と認めながら、派遣料金の増減幅と賃金の増減幅とが連動・一致していないと、あえて高いハードルを設定し、日産と原告との直接雇用関係を否定しました。
 松下PDP最高裁判決では、派遣元と労働者との雇用契約を無効(派遣先企業との黙示の労働契約の存在)とするには、「特段の事情」の有無が判断基準とされました。
今回の横浜地裁判決は、日産との間に雇用関係は成立しないとの結論を導き出すためにあえて事実を覆い隠して、日産による採用への関与、賃金決定への関与を否定した悪質極まりない判決といえます。
 第2の争点であった期間工労働者2人の更新への「期待権」についても、「11回の契約更新」をしたTさんについて「雇用継続への合理的期待を有していた」としながら、その期待権も受注量の増減を前提としたものであるなどと限定的に解釈して解雇を容認。さらに労災隠しを認めず、期間途中での契約解除も免罪する乱暴な判断を下しました。
 まる5年に及んだ裁判では、脱法的なマニュアルまで使った事前面接による採用行為、直接賃金交渉の実態、派遣→期間工→派遣という地位の脱法的キャッチボール、労災隠しを示す工長申し送り帳など、数々の証拠や証言によってその脱法的体質が明らかになりました。
 しかし判決は、派遣や期間工を「調整弁」とする企業側の立場に立って解雇を容認するとの結論を導き出すために、これらの証拠類をことごとく無視しました。 原告と弁護団は、あまりにも乱暴な判決に抗議(「声明」)するとともに、控訴し引き続き争う決意です。


声明



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