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「一人ひとりの心が折れなかった」 ―やったぞ43人全員正社員(徳島・光洋シ−リングテクノ関連支部)


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これからがほんまのスタート。光洋シーリングテクノ関連支部の仲間(12月28日)

「こんままじゃ若い者が、腐ってしまう」と、2004年秋に労働組合を旗揚げし8年余。徳島・光洋シーリングテクノ関連支部の仲間たち43人が、ついに正社員化を実現しました。それぞれのたたかい、そしてこれから――。
 午後2時過ぎ。遅番でこれから現場に入る仲間と、早番明けの仲間が、構内の一角にある組合事務所に次つぎとやってきます。

 やっと希望がもてる
 田中幸一さん(仮名)は2005年11月入社。当時は請負社員(偽装請負)。しばらくしてJMIUに加入します。2008年秋のリーマンショックで大半が退職に追い込まれますが、組合員は残りました。
 「同じ仕事でも賃金差別。有給もとれず、何を言っても聞いてくれない。矢部さららのJMIUに最初から入りたかった」。JMIU加入から5年。念願の正社員となりました。
 「やっと将来に希望がもてる。相手はまだだけど結婚したい。長男だから親もうるさい」。

 「男の中の男じゃ」
 正社員化は非組合員を含め全体で約100人。木下健一郎さん(仮名)は、2007年の第一陣として非組合員から正社員になった一人です。正社員になると当たり前のようにJAM労組に加入。しかし自らの意思で脱退しJMIUに入ってきました。
 高齢で派遣として入った木下さんは、正社員を望みながらも、「年齢的にむずかしい」と思っていました。ストライキに入る若者の姿を、「いごこち悪いな」と思いながらも、「あんなことやって大丈夫かな」と遠目で見ていました。でも「もしかしたら、のるかな!」と、期待もしていました。
 「矢部さんらの力でならせてもらった。多くがそう思っている。いま、恩返し」と静かに語る木下さん。そのそばで、委員長の黒坂和也さん(32歳)が言います。「男の中の男じゃ」と。

 黒船来航「事件」
 組合を立ち上げて「偽装請負」を社会的に告発。現地集会には全国の仲間がかけつけ、職場では正社員化をかかげ、ストライキ・ハチマキ就労闘争が果敢に展開されました。厚労省も「偽装請負是正」に動き、2006年8月末には、「偽装請負解消と正社員化」で、会社とJMIUが合意。扉がこじあけられます。
 しかし、職場ではそれからがより本格的なたたかいになっていきます。「最後の一人まで全員正社員」の旗を掲げてのたたかいは、春闘をはじめ、それぞれが長期戦となりました。この間には、矢部浩史分会代表(46歳)が解雇される事件も発生しました。
 いまでも笑い話となる登用試験での「黒船来航」。「ペリー」と書くべきところを「マッカーサー」と書き、「不合格」となった当時分会副代表の仲村早途さん(41歳)。「リンカー、ベレーと書いたやつもおったで」と真顔で言う仲村さんに、「みんなアホじゃ」と、いっせいに笑いがおこります。しかし、試験の合否を含め、会社とJAM労組によるさまざまなクサビやいやがらせが続いたのです。「正社員化」は、団結の力で、それら一つひとつを乗り越えての勝利でした。

 これからがスタート
 仲村さんは言います。「長かったような、短かったような8年。でも僕らにとっては激動。先に正社員になった人も、なれなかった人も、一人ひとりの心が折れなった。できることなら矢部ちゃんといっしょに正社員になりたかった」。
 黒坂委員長が言います。「矢部ちゃんは人柱。『こんままじゃ若いもんが腐ってしまう』と、俺らの思いをいっしょに受け止めてくれた森口さん(地本委員長・徳島県労連事務局長)は恩人。矢部ちゃんをみんなで支える。派遣もまだ200人もいる。中核労組として地域での役割もある。これからが、ほんまのスタートじゃ」と。(「金属労働新聞」2013年1月5日付)




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