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 産別化、非正規のたたかいなど交流
 韓国金属労組との交流 JMIU代表団が帰国

スト集会で紹介されあいさつ

 生熊委員長を団長とする韓国金属労組(16万人)との交流代表団(18人)が5日間の日程を終え6月14日に帰国しました。
 韓国は日本でいう春闘のヤマ場で、産別中央交渉や各職場の交渉、統一時限スト、さらには大量解雇との闘争で双龍自動車支部が長期の工場占拠態勢に突入中という、闘争のまっただなかでした。
 金属労組との交流初日、チョン・カブトク委員長が歓迎あいさつ。「日本の労働運動でも新たな芽も出ている。協力していければと思う」とのべ、生熊JMIU委員長が、いすゞ自動車をはじめ日本における非正規労働者のたたかいなど紹介し、「労働者の権利向上のために、ともに連帯を」と、エール交換。
 産業別組織化のたたかい、非正規・未組織労働者のたたかいと組織化をテーマにまる一日かけて、双方から説明があり、質問と交流がおこなわれるとともに、翌日には、起亜自動車支部を訪問しました。
 初日の交流後、韓国側のすすめで急きょ、工場占拠で解雇闘争をたたかう双龍自動車を激励訪問し、集会に参加、あいさつしました。


韓国金属労組交流報告・レポート(1)
「解雇は殺人」 仲間の死弔い、団結
工場占拠で解雇撤回闘争をたたかう双龍自動車を激励


煙突闘争の頂上から

 韓国金属労組との交流では、自動車大企業をはじめ、たたかう金属労働者の「現場」にじかにふれることができました。6月11日、初日の金属労組本部との交流・懇談終了まぎわ、韓国側から「解雇撤回で工場占拠闘争中の双龍自動車の集会をぜひ激励してくれないか」のと要請。夕食懇談をあわただしく切り上げ、チャーターバスで現地に向かいました。
 ソウル市内から高速を南に1時間余。双龍自動車の拠点工場は22日目の占拠体制中。稼動時5,000人いた23万坪の工場。2,645人の「希望退職」募集が強行され、1,700人が退職。976人が解雇通知を受けているが、解雇撤回で家族ぐるみでの占拠態勢に入っています。
 警察・会社側の介入を阻止するためと、工場入り口をロックアウト。厳重に警備されている門をくぐり、広大な構内の集会場へ。途中、工場占拠闘争のシンボル的たたかいで「幹部3人が初日から篭城している」という「煙突」のテッペンに手を振る人影。こちらも手を振り激励しました。「幹部三人」というのは、「いざというときでも、司令部を残すため」だと金属労組の役員。
 構内を埋める集会。参加者はナショナルセンターである民主労総、金属労組本部と支援者を含め約2000人。当初「文化祭」の予定が、その日の朝同僚が死亡との報に、きゅうきょ追悼集会になりました。「どれだけの労働者が死ねばこのたたかいが終わるというのか。解雇は殺人だ! 九百七十六人、一人たりとも戦列から離れてはだめだ!」との幹部の報告と訴えに、いっせいにつきあがる拳。
ともに集会に参加(写真に入っていない左側にも大勢の人)

 全員が地面に腰を下ろし、整然と整列された集会。私語もなく、一言も聞きのがすまいと舞台に集中します。緊張の糸が最後まではりつめます。それは、一人ひとりの命をかけたたたかいだからなのだと思いながら、写真をとりました。
 集会では、代表団一人全員が舞台に並び、生熊委員長といすゞ自動車支部の三浦慶範副委員長があいさつ。「団結と支援をひろげよう。勝利なきたたかいはない」(生熊)、「たたかえばかならず道はひらける」(三浦)と、激励。造船連絡会・兵庫の日野雅春さんがトランペットでアリランを演奏。熱烈な拍手を受けました。
 翌日、地元の新聞には、「生きの残ったものの悲しみ」と題し、双龍自動車のたたかいが載っていました。解雇ではなく「雇用保障」を告げられたのに、仲間とともにストライキに参加できない寂しさを語りながら死亡した二人の労働者、工場占拠中の労働者・家族もまた、医療団の診療で85%にうつ症状が見られ、うち34%が重度にあることなど。
 たたかいは、国とソウル市も中に入れながら、会社再建策が協議されていますが、組合側は「解雇撤回が先だ」と、闘争態勢を継続しています。(「金属労働新聞」6月25日付)


韓国金属労組交流報告・レポート(2)
 産別化への挑戦を見る
―企業意識克服へ努力


韓国金属労組チョン委員長(左)と生熊委員長(その右)

 訪韓訪問2日目の6月11日には韓国全国金属労働組合(KMWU)を正式訪問し、産別化のとりくみや非正規労働者の組織化について経験交流をおこないました。
 歓迎あいさつしたチョン・ガブドク委員長は、産別協約闘争中で十分に時間がとれないことをわびた後、240の事業所に16万人の組合員を擁していること、日本と同じくアメリカ発の金融危機のもと80%の職場で減産・雇用不安が増大していること、とりわけ双龍自動車が1,200人もの解雇を計画し、支部が職場を占拠したたかっていると報告。また日本の労働組合と正式に交流を持つのはJMIUが初めてあること、連合やIMF・JCなどとも過去に話をしているが、話が合わないし深い交流はできないと感じていること、今回のJMIUとの出会いは最高であり、今後とも状況について共有できればありがたいとのべました
 これを受け生熊委員長は、日本でのたたかいを報告した後、「(たたかいの)理念の一致を感じている。産別化や非正規の組織化の先進的経験を学びたい」とあいさつしました。
 その後に行われた金属労組結成と産別化へのとりくみについて政策局が報告。
 報告では、金属労組結成と産別化の必要性として、(1)情勢的要求として新自由主義完成と労働法の改悪、(2)組織的要求として、]働組合組織率の低下、非正規職急速拡大、4覿畔粍媼韻慮巴紂◆複魁棒限古要求として雇用不安をあげ、々場の海外移転、部品単価の切り下げ、C閏丗弍の限界などが指摘されました。

金属労組との懇談・交流(6月11日)

 こうしたもと、2006年に大企業中心の金属産業連盟が中小企業中心の金属労組に合流して全国金属労働組合(KMWU)が結成され、傘下の事業所数は180から232となり、組合員数は4万人から十六万人に急増したとのことです。
この合流によって、組合員の構成は、自動車80%、機械金属9%、鉄鋼4%、造船4%、電機電子3%となっています。
 組織形態としては、中央本部のもとに地方・地域支部(日本でいう地本)を置き、そのもとに支会(日本で言う支部)を組織するとしています。
 この完成期限を今年の9月におき、現在、大手の自動車支部で規約変更を含む討議がおこなわれているとのことです。2001年から、地域別集団交渉や支部集団交渉などが積み重ねられ、2004年には民主労総(ナショナルセンター)、金属労組の前身である金属産業連盟や金属労組と金属産業経営者団体との間で「基本協約」が締結されています。
 しかし現時点では、この産別中央交渉に自動車完成メーカーの経営者が参加しておらず今後の課題となっているとのことです。産別化による具体的な成果として、―毅菊制導入、▲螢好肇薺制、困難時の連帯闘争などをあげていますが、組合員がもっとも魅力を感じているのは、の連帯闘争だそうです。
 今後の課題として、 峩眤飴妻模組完成及び強化」をあげ、企業別意識を払拭し企業支部から地方・地域支部参加の支会への完全移行だとしています。さらに、¬ち反ハ働者の組織化、8従豼反ノ呂龍化、ご管力量強化、ヂ膣覿隼妻矛弍勅埆仞覆砲茲觧妻霧鮠賃侶漏領をあげています。


韓国金属労組交流報告・レポート(3)
 非正規も同じ支部へ
―非正規組織化への挑戦


未組織・非正規労働者の組織化について交流 金属労組本部(6月11日)

 交流初日の午後からは、未組織・非正規労働者の組織化経験について交流。韓国金属労組からは、未組織非正規事業局長のイ・サンウ氏がおこないました。
 報告はまずこの課題の、(1)社会的背景として、]組組織の低落傾向と正規職中心の労組の構造、非正規職の急増(全体の52%)と低組織率(2・8%)、製造業の派遣労働は禁止されているが、実際は社内下請けによる「間接雇用」の横行、せ駛椶砲茲襪気蕕覆訐亀職の縮小化による、人件費削減、自由な解雇、労組弱体化・破壊のねらいをあげています。
 その結果、(2)非正規労働者のくらしや権利は、\亀職対比40〜50%に過ぎない賃金、福利厚生からの排除など差別の当然視、構造調整(人員削減)の真っ先の対象とされ、恒常的雇用不安、O働基本権の剥奪(団結権:労組加入すれば当たり前のようにおこなわれる契約解除、廃業攻撃、交渉権:元請会社の交渉義務なし、争議権:争議行為にたいする救社隊や雇われヤクザによる物理的弾圧)など、悲惨な状況にあるとしています。
 こうした背景のもとで金属労組として、(1)「一社一組織」(正規職労組と非正規職労組の統合)の推進。(2)組織の基礎単位を企業別から地域別に再編移行することによる「企業内意識」の克服、(3)非正規職優先解雇に反対し総雇用保障の実現をかかげ、とりくいを強化しているとのことです。
 現在の金属労組内の非正規職労働者の比率は、「一社一組織」化は二百五十事業所中80事業所(35%)で実現。金属労組16万人のうち非正規職組合員が5,483人で、一社一組織下の組合員は2,823人、独自組織は2,660人。最近の未組織の組織化を含む新規組織化数は、2007年度は29事業場1,459人、2008年度は24事業場で2,944人だそうです。
 翌12日(訪韓3日目)は、非正規職の組織化といち早く「一社一組織」化を実現している起亜自動車(組合員3,090人)のファソン工場(組合員13,000人)を訪問し、たたかいの経験を直接聞きました。
 支部は1960年に設立され、非正規職の組織化は、2003年から現場闘争団を組織し2005年には団体協約を結び労働基本権を獲得したとのこと。
 当時の非正規の労働条件は劣悪で同じ仕事をしても賃金は正規の60%程度。たたかいに立ち上がると元請(起亜自動車)が弾圧、抗争を繰り返しつつ、今では下請け企業43社で2300百人(組織対象者は3900人)が加入。金属労組の「一社一組織」という方針に基づき、正規職と同じ支部に所属し、下請け企業43社を相手にした集団交渉をおこなうところまで前進しているとのことでした。
 しかし、最近では起亜(元請)の圧力で、下請け企業が有期雇用でしか採用せず雇用不安が増大するなど課題山積とのことでした。
 今回の訪韓を通して感じたことは、金属労組が産別化方のもと、大手企業支部の工場単位での地域支部移行や正規職支部と非正規職の支部の統合など、「組織論先行」との印象を持っていましたが、そうではないとの確信を持ちました。
 それぞれの企業支部における条件が違う中で、紆余曲折を経ながらすすんでいること、起亜支部のように、支部の幹部が本部方針をしっかり受け止め、現場での地道な運動で労働者の意識変化が作り出されているなど、産別化への努力の重要性を改めて認識しました。
 日本ですでに経験したことがいま韓国で起こっていたり、いまぶつかっている共通する課題もあり、今後も継続して交流を続けることはたいへん意義があるというのが率直な感想です。労働組合運動の原点という視点で見ると、むしろ私たちが学ぶべき点が多いと感じる、そんな訪韓でした。(おわり)


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