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格差・貧困の固定化に反対し、労働者派遣法の抜本改正を求める
― 厚労省「労働者派遣法改正法案要綱」に対するJMIUの見解 ―



2008年10月26日
全日本金属情報機器労働組合(JMIU)


(1)10月24日、厚生労働省は労働者派遣法改正法案要綱(以下、「法案要綱」という)を労政審議会職業安定分科会に諮問した。「法案要綱」は、9月24日の「建議」の内容に沿ったものであり、以下のように、全体として派遣労働者の権利と労働条件を改善するというにはきわめて不十分である。なかには「改悪」ともいえる内容すら含まれており、派遣労働者の権利保護につながる抜本改正を求める労働者・国民の期待を真っ向から裏切るものである。
(2)抜本改正の大きな焦点である「偽装請負」など違法派遣について「法案要綱」は「派遣先に対する労働契約の申込み勧告」ができるとした。しかし、本来、事業主が労働者派遣法に違反して労働者をはたらかせていたということは、その指揮命令は「派遣契約」にもとづいていないのだから、その事業主と当該労働者との間には「黙示の労働契約」が存在していたとみなすのが当然である。(「松下プラズマディスプレイ大阪判決」参照)。たんなる「申込み勧告」の規程だけでは直接雇用は促進されず、「偽装請負」解消の改善につながらないであろうことは、労働行政が「違法派遣」が社会的に糾弾されるまで派遣先に対し「違法派遣の是正指導」の名のもとに事実上の脱法行為の指南役となってきたことを振り返っても明らかである。派遣法のなかにも違法派遣の場合の「直接雇用みなし規定」を明確にすべきである。
(3)もうひとつの大きな焦点である「日雇い派遣」について、「法案要綱」は30日以内の有期雇用労働者について政令で定める業務以外の「日雇い派遣」を禁止するとした。しかし、これでは31日以上の期間で雇ったうえで日々派遣先を変えれば容易に「日雇い派遣」は可能となる「しり抜け規定」である。しかも「建議」は批判の強い「登録派遣」は引き続き容認し、その常用化を派遣元事業主の努力義務にとどめている。「登録型派遣」とは、派遣元が「派遣期間中」だけしか労働者を雇用しないという仕組みであり労働者にとってみると派遣契約が切れるや失業状態になる極めて不安定な制度である。これは「自己の雇用する労働者を他人の指揮命令を受けて他人のために労働に従事させる」という現在の労働者派遣法の規定からも問題があり、ただちに原則禁止にすべきである。
(4)派遣労働者の待遇の確保については、「均等待遇」や「マージン規制」などわたしたちの要求はまったく無視され、改善の努力義務や情報公開や説明義務などにとどまった。派遣労働者の具体的な待遇改善につながるものはひとつもない。グループ企業など「専ら(もっぱら)派遣」についても「8割ライン」にとどめ、事実上の現状追認である。
(5)「法案要綱」には改悪部分すらある。たとえば、期間の定めのない雇用契約の派遣労働者については、派遣労働者を特定することを解禁したり、期間制限のない26業務の雇用契約申込義務の適用対象から除外したりしている。
(6)厚生労働省は10月29日には労働力需給制度部会、引き続いて職業安定分科会を開催し、今臨時国会にも法案を提出しようとしている。しかし、「法案要綱」の内容では、到底、派遣労働者の権利保護にはつながらないどころか、逆にさらなる改悪につながる危険すらある。JMIUはこうした抜本改正の逆流は許さない。ただちに、以下の項目に沿って派遣労働者の権利を保護する実効ある改正にむけて徹底した審議を行うよう要求する。
 崚佻診標」を原則禁止し「常用型派遣」のみとすること。また、「日雇い派遣」「スポット派遣」を禁止すること。
∀働者派遣の受入並びに受入期間の延長には労働組合(労働者代表)との合意を義務付けること。
O働者派遣の対象業務を86年当時の13業務に戻すとともに見直しをはかること。
い垢戮討龍般海砲弔い銅入期間の上限を1年とすること。
サ響請負や受入期間をこえてはたらかせた場合は、当該労働者を正社員として直接雇用するよう義務づけること。
η標と請負の区分については「告示」にもとづき厳格におこなうこと。
派遣先企業を含め、法違反への指導と罰則の規程を抜本的に強めること。
┌院殖屋幣紊力働者を特定企業(グループ)に派遣することを「専ら派遣」として禁止すること。

以 上



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