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東武鉄道は高裁判決にしたがい東武スポーツ争議の早期全面解決を!
― 東武スポーツ争議・東京高裁判決について −


(1)2008年3月25日、東京高等裁判所は東武スポーツ裁判控訴審の勝利判決を下した。全国の支援のみなさんに心からお礼を申し上げます。判決の概要は以下のとおりである。

現職キャディ従業員17名を期間の定めのない地位にあることを確認する。
解雇された原告1名の従業員としての地位を確認する(「自主退職」との会社主張を退ける)
東武スポーツはキャディ18名と定年等ですでに退職した2名の賃金減額分並びに解雇無効とされた1名の未払賃金(総額1億3千万円)を支払え。
原審で認められていた賃金減額で退職に追い込まれた2名のキャディと託児所廃止により退職に追いこまれた保育士3名についての慰謝料支払いについては取り消された。

(2)裁判の最大の争点は、有期契約への移行や賃金減額等労働条件の不利益変更に本人の同意があったかどうかであった。この点について高裁は「多岐にわたる内容を数分の社長説明及び個別面談での口頭説明によってその全体及び詳細を理解し記憶に止めることは到底不可能」「契約書の記載も『賃金について会社との契約金額とする』など内容を把握できない」とし、「労働条件変更の合意が成立したとは認めることはできない」と明確に断定した。これは、「労働者の錯誤(事実と異なる認識)」があり「合意があったとしても無効」という原審判断からさらに一歩踏み込んだものである。
(3)会社は高裁において「就業規則による労働条件不利益変更法理」をあらたな主張として持ち出していた。この点においても高裁は「キャディ職従業員が24%もの賃金減額を受忍しなければならないほどの経営上の高度の必要性はなく手続も合理性がない」とし、新給与規定には法的効力を認めなかった。本年3月から「賃下げ自由化法案」とも批判の強い「労働契約法」が施行されたもとで「経営上の合理性」を安易に認めなかった本判決は大きな意義があるといえる。
(4)一審では退職に追いこまれた2名のキャディと3名の保育士への慰謝料支払いを命じていた。高裁はこれらを取り消した。しかし、3名の保育士はまったく経験のないキャディ職への配転を迫られ、2名のキャディも大幅な賃金減額により退職を余儀なくされたのである。5名の受けた不利益は甚大であり、高裁の判断は不当と言わざるを得ない。
(5)本判決は、一部を除き、原告(組合)側の主張を認めた画期的なものである。高裁判決により東武スポーツの不法性・不当性はすでに確定的である。裁判は5年という長期にわたっている。また、敗訴を逆恨みした自宅待機も1年以上続いている。このように、原告らの経済的精神的苦痛は頂点に達している。組合は、東武スポーツに対し、上告することなく高裁判決にしたがい、争議の早期全面解決にむけた話し合いのテーブルにただちにつくことを強く求めるものである。
(6)判決も本件での労働条件不利益変更が東武グループの「中期経営計画」にもとづくものであると事実認定しており、100%親会社である東武鉄道の責任は免れないことは明らかである。労働組合との話し合いを頑なに拒否する東武鉄道の対応は許されない。東武鉄道は、企業の社会的責任として東武スポーツ争議を1日も早く全面解決させるために決断をくだすべきである。

2008年3月30日

栃木県労連/東武スポーツ争議支援する会/JMIU栃木地方本部/JMIU東武スポーツ支部


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